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夕陽

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​理念

今、「食」の乱れが深刻です。私たちの生命の源が揺らいでいるのです。

 

安全、安心が見えない食材、感謝の思いが伴わない食事。そこには食文化はなく、軽い存在の食しかありません。食の不安は、生産、加工、流通まで、関わる人の顔が見えないことに起因します。今こそ、食をめぐる環境や文化を見詰め直すときではないでしょうか。

私たちは提案します。日本各地の風土から生まれ、日常の生活に根ざした食材と料理を大切にしていこうと。民衆の暮らしの中から生まれた郷土料理を伝え残す、そうした地域の人の命と健康を守って来た食の循環が「民食」には欠かせぬ要素なのです。「のと Food Studies」は、世界農業遺産の地、能登から、この「民食」文化の啓蒙と推進の運動に取り組んでいきます。

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​「民食」運動の聖地となる食文化

2011年(平成23年)に、「能登の里山里海」が日本で初めて世界農業遺産に認定されました。能登の自然環境の中で続けられてきた農林水産業と一体的に維持保存されてきた能登の伝統的な「棚田」や「揚げ浜式製塩法」などの農村文化の姿が評価されたのです。

 

能登の里山里海では、伝統的な農林漁の営みが継承され、豊かな海の幸、山の幸が地域にもたらされます。生物多様性も守られ、様々な生きものが生息、生育しています。地域の食材の特色ともなる野菜等の在来品種の栽培振興も図られています。何より、農林漁業に関する祭事が多く残り、奥能登各地に伝わる農耕儀礼の一つ「あえのこと」は、田の神様への感謝を表す伝統行事です。豊漁、豊作は自然の恵みと感謝する、それをもとにした料理は自然界の命をいただくものであると感謝する。そこには、今の日本では忘れかけている、自然と共存していくという食に対する真摯な姿勢がうかがえるのです。

 

能登には、今日の日本の「食の乱れ」をただす処方箋となるヒントがあふれているのではないか。そのことが、生活の中にある「民食」を取り戻そうという運動を能登から発信する理由なのです。

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